ボウモア12年

アロマ:香り立ちは中程度、優しく語りかけてくる印象。トップノートで優しいピートスモークと熟したフルーツのニュアンス。華やかなスモーク、黄桃、アプリコット、マンゴー、黄色い花、麦芽香。

フレーバーはアタックで優しく華やかなピートと熟したフルーツの甘味、酸。続いてフルーツピール様の苦味、酸味。花びらを齧ったような独特の心地よいニュアンスを感じる。

フィニッシュは中程度。フルーツの酸、樽の渋み苦味が残る。全体的にバランス良く、華やか、優しいピート感も心地よい。

PS:アイラモルトは薬臭い、煙くさいなどウイスキーを飲み慣れない人にはネガティブなイメージがついてまわるウイスキーかもしれません。アイラの女王と比喩される一方、アイラモルトの入門的な位置付けとされることもあるのがボウモアです。個人的には「華やかなアイラモルト」という印象が強くアイラモルトの中では一番個性がはっきりしているモルトのように思います。

ボウモア蒸溜所情報
【基本情報】
・所在地:スコットランド・アイラ島(Islay)中央部、ボウモア村
・設立年:1779年(アイラ島で最古、スコットランドでも最古級の蒸溜所の一つ)
・創業者:デイヴィッド・シンプソン(David Simpson)
・現在の所有者:ビームサントリー社(Beam Suntory)
・水源:ラーガン川(River Laggan)
・年間生産能力:約200万リットル



【製造設備】
・製麦設備(フロアモルティング)
 現在も自社で一部の大麦をフロアモルティング
 全体使用量の約25〜30%を自家製麦でまかなう
 ピート焚き乾燥(アイラ島産ピートを使用)
・発酵槽(ウォッシュバック)
 木製(オレゴンパイン製)×7基
 発酵時間:約48〜60時間
・蒸溜器(スチル)
 初留釜(ウォッシュスチル):2基、再留釜(スピリットスチル):2基、計4基
 スチル形状:ストレートネック型に近い伝統的なポットスチル
 加熱方式:スチームコイル加熱



【熟成環境】
・貯蔵庫:アイラ島中心部の海岸沿いに位置するダンネージ式ウェアハウス
・特徴:海風を直接受ける湿潤環境



【原酒・味わいの特徴】
・ピートレベル:中程度(約25ppm前後)
・フレーバープロファイル:
 海潮香、塩気、スモーク
 熟したフルーツ、ハチミツ、バニラ、トフィー
 煙と甘みの調和が特徴的
 熟成により、ピートスモークが穏やかになり上品な甘みと深みが際立つ



【その他トピック】
・「No.1 Vaults(ナンバーワン・ヴォールト)」は現存するスコットランド最古の熟成庫とされる。
・ボウモア村はアイラ島の行政・文化の中心であり、教会を中心に放射状に広がる特徴的な街並みを持つ。
・ボウモア蒸溜所はサントリーグループ傘下のため、日本市場向けリリースや限定品も比較的多い。
・蒸溜所ビジターセンターではテイスティングツアーやオリジナルボトルの量り売りも実施。
・蒸留廃液高熱を利用した温水プールを作り島民の福祉に貢献。

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc)700yenで提供しております(2025/6月現在)


ラフロイグ10年

アロマ:香りたちは良く、しっかりと語りかけてくる印象。トップノートでしっかりとしたヨード感、スモーク感。背後に茶葉、土っぽさ、灰っぽさ、麦芽感、柑橘フルーツ、バニラ、シナモンなどのパウダースパイス感。

フレーバー:アタックでしっかりとしたピートスモーク。甘い樽のニュアンスと柑橘フルーツの甘味、酸味、穀物感が続く

フィニッシュ:柑橘フルーツのニュアンスと心地よいピートが残る。

特徴:しっかりとしたピートスモーク、柑橘系フルーツのニュアンスがバランスよく存在し、お互いの要素を引き立てている。好きになるか嫌いになるかどちらかで、飲み手を選ぶと言われるモルトですが、意外とバランスよくまとめられている。改めてじっくり飲むとその出来の良さに感心させられます。

蒸溜所情報
・創業年:1815年
・創業者:(アレクサンダーとドナルドの)ジョンストン兄弟
・地域:スコットランド、アイラ島
・マッシュタン:フルロイタータンでワンバッチ麦芽5.5トン
・発酵槽:ステンレス製8基
・スチル:初留3基、再留4基の計7基
・フロアモルティングが行われていて自家製麦芽のフェノール値は40~60ppm。残りは基本的にポートエレン製の麦芽が使用されている。チャールズ国王愛飲の酒で王室御用達のワラントを賜っている。

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アバフェルディ12年

アロマ:香り立ちは中程度、穏やかに語りかけてくる印象。トップノートで濃厚なフルーツとシェリー樽のニュアンス。完熟りんご、黄桃、ブラックベリー、オレンジ、バニラ、シナモン、ハチミツ、微かな硫黄感、甘草、麦芽香。トーストティーな洋菓子、焼きリンゴのようなアロマも漂う。

フレーバー:アタックでフルーツの甘味、酸味、フルーツピールの苦味。樽の渋み、甘みが続く。酒質はしっかりしていてトースト感伴うフルーツをしっかり感じる。

フィニッシュ:中程度、暖かく優しく樽の渋み、フルーツのニュアンスが残る。

嫌味のない濃厚なフルーツ感が印象的、完熟りんご、りんご飴、焼きリンゴ…いろんな種類のリンゴ感を感じる。

蒸溜所情報
・創業年:1896年
・創業者:ジョン・デュワー
・地域:スコットランド、ハイランド、パース州のテイ川上流(テイサイド)に位置する
・仕込み:ワンバッチ麦芽7.5トン
・発酵槽:カラ松製8基、ステンレス製2基の計10基
・スチル:ストレートヘッド型で初留2基、再留2基の計4基
・蒸留所近くの森には赤リスが生息し、ボトルキャップには赤リスが描かれている。
・蒸溜所内にデュワーズ・ワールド・ウイスキー館が併設されている。

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ロイヤルブラックラ12年(旧ボトル2022年以前流通)

アロマ:香りたちは中程度、穏やかに語りかけてくる印象。トップノートで熟したフルーツ感。黄桃、アプリコット、オレンジ、黒系ドライフルーツ、バニラ、シナモン、麦芽香、オランジェット、ミント、メントール、奥に瑞々しいフルーツ感、青リンゴ、洋梨。時間が経ってトーストした蜂蜜感が主張。

フレーバー:アタックでフルーツの酸甘味、樽の甘味。フルーツピール様の苦味酸味と樽の優しい苦味が続く。ミディアムボディで程よく甘いフルーツ感が楽しめる。

フィニッシュ:余韻は中程度。程よいフルーツ感、樽由来の心地よい渋みが残る。

特徴:バーボン樽熟成、シェリー樽後熟の程よく甘くエレガントなフルーツ感が味わえる。まったりとした甘い洋菓子を連想させるモルトウイスキーです。

蒸溜所情報
・創業年:1812年
・創業者:キャプテン・ウィリアム・フレイザー
・地域:スコットランド、ハイランド シェイクスピアの「マクベス」で有名なコーダー城の近くにある
・仕込み水:コーダー川
・発酵槽:オレゴンパイン製で蓋のみがステンレス製のものが6基、ステンレス製が2基の計8基
・スチル:ストレートヘッド型計4基、ラインアームはやや上向きに付けられていて、冷却装置はシェル&チューブの垂直式コンデンサー
・1935年にウィリアム4世からロイヤルワラントを授かっている
・バカルディ社が所有し、デュワーズの原酒として使われている

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ハイランドパーク12年 バイキングオナー

アロマ:香りたちは中程度、穏やかに語りかけてく印象。トップノートで熟したフルーツとシェリー樽のニュアンス。黄桃、アプリコット、オレンジ、ブラックベリー、黄色い花、バニラ、シナモン、カカオ、チョコレート、ナッツ、トーストした蜂蜜、フィナンシェ、背後にアーシーで優しいピート感、かすかにサルファリー。

フレーバー:アタックで熟したフルーツの酸、甘み。コーヒーのような苦味や樽の甘味、渋みが続く。トースティなフルーツ感、程よいピート、シェリー樽の味わいがバランスよく存在。

フィニッシュ:余韻は中程度。心地よい樽の渋み、甘味、ピートが残る。

特徴:程よいシェリー樽のニュアンスとアイラモルトのピートとは異なるアーシーな優しいピート感が上手く共存しているモルト。個性的であるがバランスは良い。

蒸溜所情報
創業:1798年
地域:スコットランド アイランズ オークニー諸島 メインランド島〜オークニー諸島は8世紀以降、数百年にわたりヴァイキングに支配されてきた。メインランド島は石器時代の遺跡群でも有名
仕込み水:クランティットの泉(中硬水)
スチル:ストレートヘッド型4基。冷却装置はシェル&チューブの屋外コンデンサー
特徴:現在でもフロアモルティングが行われている。オークニーのピートはヘザーや草、苔などが堆積したもので、ホービルターヒルという独自の採掘場から掘り出されるピートを使用。

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc)700yenで提供しております(2025/6月現在)

オーヘントッシャン アメリカンオーク

アロマ:香りたちは中程度、優しく語りかけてくる印象。トップノートで優しいオークと爽やかなフルーツのニュアンス。バニラ、シナモンなどの白いパウダースパイス、黄桃、アプリコット、焼き菓子、優しい穀物感、麦芽のニュアンス、根菜、沢庵のような漬物、オイリーな質感も伴い、全体的に落ち着いていて優しい香りたち。

フレーバー:アタックでフルーツの酸、甘み、樽の甘み。オークの渋み、甘みが続く。全体的にマイルドで優しい。

フィニッシュ:余韻は短め、優しい樽の渋みとフルーツピールの苦味が残る。

特徴:優しい穀物感とバーボン樽熟成由来のフルーツ感を楽しめる。ローランド伝統の3回蒸留が優しく穏やかな味わいに寄与している。少し疲れている時のお供に最適なモルトウイスキーと思います。

オーヘントッシャン蒸溜所情報
・創業年:1823年
・創業者:不詳(後にJ.ボーモント社が所有)
・所在地:スコットランド・ローランド地方(グラスゴーの北西郊外、クライドバンク近郊)
・マッシュタン:ステンレス製セミロイター式
・発酵槽:オレゴンパイン製4基とステンレス製3基の計7基
・ポットスチル:初留、後留、再留の計3基で全てランタンヘッド型
・現在の所有者:ビーム・サントリー社(Beam Suntory)
・特徴など
ビジターセンターあり(ツアー対応)
オーヘントッシャン(Auchentoshan)はゲール語で「野原の片隅」
オフィシャルボトルでは「オーヘントッシャン12年」「スリーウッド」「アメリカンオーク」などが定番
仕込み水:カトリン湖
ローランド伝統の3回蒸留を現在でも行っている

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グレンドロナック12年

香りの立ちは中程度〜良く、しっかりと語りかけてくる印象。トップノートで感じるのは黒系のドライフルーツのニュアンスとしっかりとしたシェリー樽の風味。ドライレーズン、ブラックベリー、ナッツ、黄桃、ミント、メントール、バニラ、シナモン、なめし皮、焦がした砂糖、微かな硫黄感。

味わいはアタックでベリー系フルーツの酸、甘みとやや収斂性のある樽の苦味、渋み。ブドウの皮の苦味、酸味とオークの渋みが続く。

余韻は中程度。樽の渋みとフルーツピールの苦味が心地よく残る。ドライな口当たりを伴いながら熟したフルーツ感と暖かい樽の風味を感じる。

心地よいシェリー樽の特徴を感じ取れる1本。オロロソシェリー樽熟成原酒とペドロヒメネスシェリー樽原酒がブレンドされている。

蒸溜所情報
・創業年:1826年
・創業者:ジェームス・アラディス
・地域:スコットランド ハイランド
・発酵槽:カラマツ製9基で二酸化炭素の回収装置が付いている
・スチル:初留2基、再留2基の計4基のバルジ型スチル
・特徴:ティーチャーズの原酒として使われてきた。

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc)700yenで提供しております(2025/6月現在)

グレンフィディック12年

香りたちは中程度〜良く、優しく語りかけてく印象。トップノートで感じるのは瑞々しいフルーツのニュアンス。青リンゴ、洋梨、白桃、青い植物感、バニラ、シナモン、ミント、メントール、奥に熟したフルーツ、黄桃、アプリコット。時間経過とともに熟したフルーツ感や樽由来のパウダースパイス感の主張が強くなる印象。

味わいはアタックでフルーツの酸、甘み。樽由来の甘み、渋み、フルーツピール様の苦味が続く。ライトボディで飲みやすい。

余韻は中程度、爽やかなフルーツ感、樽の甘渋みが心地よく残る。

フルーティーでバランスよく、典型的な優等生スタイルのシングルモルト。原酒構成はバーボン樽 1st・2ndフィル熟成原酒+少量のオロロソシェリー樽熟成原酒とのこと、爽やかで上品なバーボン樽熟成の味わいに少量のシェリー樽熟成の原酒が奥行きを与えている印象。

蒸溜所情報
・創業年:1887年
・創業者:ウィリアム・グラント
・仕込み水:ロビーデューの泉
・マッシュタン:計4基
・発酵槽:オレゴンパイン製48基
・スチル:44基
・特徴:グレンフィディックはゲール語で「鹿の谷」の意味であり、オフィシャルボトルには牡鹿が描かれている。1963年にシングルモルトを初めて世界に売り出した蒸溜所。シングルモルトの売り上げでは、グレンリベットと1,2位を競っている。

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc)600yenで提供しております(2025/6月現在)

グレンリベット18年 バッチリザーブ

香りたちは中程度、穏やかに語りかけてくる印象。熟した果実、黄桃、アプリコット、オレンジ、洋梨、なめし皮、黒糖、蜂蜜、フルーツタルト、ナッツ、バニラ、シナモン。

味わいはアタックでフルーツの酸、甘み。樽の渋みが心地よく続く。ナッツ、ドライアプリコット、黒系のドライフルーツのニュアンスが続く。

余韻は中程度。フルーツの酸、甘み、樽の甘み、渋みが残る。熟成感があり綺麗で重層的な酒質。バランスがよく万人が美味しいと認める一本だと思います。

グレンリベット蒸溜所情報
・創業:1824年
・創業者:ジョージ・スミス
・マッシュタン:ブリッグス社製、ワンバッチ麦芽14トン
・発酵槽:木製(オレゴンパイン製)16基、ステンレス製16基
・スチル:計28基でランタンヘッド型(第1蒸留棟8基、第2蒸留棟6基、第3蒸留棟14基)〜2018年に第3蒸留棟が完成
・2021年の統計ではシングルモルト販売量は、グレンフィディックを抜いて第1位

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc)1000yenで提供しております(2025/6月現在)

ティーリング2003 15年 ウイスキーフェスティバル2019大阪記念ボトル 55.3%

アロマの立ちは控えめ〜中程度。静かに佇んでいる印象。トップノートで感じるのは熟した果実とややケミカルなオイリー感。黄桃、アプリコット、バニラ、シナモン、麦芽感、桃のポプリ。時間が経つとケミカルなニュアンスが薄れ穀物感、心地よい樽感が徐々に主張してくる。

味わいはアタックで優しいフルーツの酸、甘み。続いて瑞々しいフルーツの甘みがしっかりと広がる。麦芽の甘み、樽の甘み、苦味。白桃、青りんご、青草、ネクタージュース。

余韻は長め、フルーツの酸、甘み、樽の甘みがしっかりと残って行く。ファースインプレッションは大人しくややケミカルな印象だが、時間経過とともに高いアルコール度数に閉じ込められたフルーツ感が溢れてくる。ゆっくりと時間をかけてもしくは少量の加水で楽しむのがお勧めです。

ティーリング蒸溜所情報
・創業年:2015年(ダブリンでウイスキーが造られるのは40年ぶり、新規に蒸溜所が建てられるのは125年ぶりだった)
・創業者:ジャック・ティーリング、スティーブン・ティーリング
・地域:アイルランド ダブリン リバティー地区
・発酵槽:6基(木製2基、ステンレス製4基)、各30,000リットル、発酵期間は3〜5日
・ポットスチル:初留、後留、再留の計3基(イタリア製フリッリ社製)
  初留「アリソン」:15,000リットル
  後留「ナタリー」:10,000リットル
  再留「レベッカ」:9,000リットル
・蒸留方式:伝統的な3回蒸留を採用し、アルコール度数約80〜90%のニューメイクスピリッツを生成
・特徴:ポットスチルウイスキーとモルトウイスキー(3回蒸留)を製造。塾成はクーリー蒸溜所に近いグリーンノア集中熟成庫で行われている。ちなみに創業者の二人はクーリー蒸溜所の創業者であるジョン・ティーリングの息子。

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