シングルグレーンウイスキー富士

アロマ:香り立ちは良く、優しく語りかけてくる印象。トップノートで優しい樽のニュアンスと穀物感。バニラ、シナモン、クッキングした穀物、パルプ、黄桃、アプリコット、メープルシロップ。
フレーバー:アタックで穀物の甘み、樽由来の甘み。柑橘系フルーツの甘み、酸味、樽由来の渋みが続く。シンプルだがしっかりした輪郭があり深みも感じる味わい。
余韻は中程度、心地よい樽のニュアンス、穀物感が残る。
一般的なグレーンウイスキーと一線を介する深みや広がりを感じるグレーンウイスキー。富士御殿場蒸溜所にある、ダブラー、マルチカラム蒸留機、ケトルなど様々な蒸留機を用いた原酒が使用されていると思われます。

富士御殿場蒸溜所情報
基本概要・歴史
・設立・所有:1972年、キリン・シーグラム(キリン、シーグラム、シーバスブラザーズの合弁)により設立。現在はキリンディスティラリー株式会社が所有。
・立地と環境:富士山麓、標高約620 mに位置し、年間平均気温13 ℃と冷涼で霧の多い気候が特徴。水源は富士山の伏流水(硬度約55の軟水)。

製造設備・工程
・複合蒸溜所:モルトとグレーン両方のウイスキーを一貫して生産・熟成・ボトリングできる、世界でも珍しい蒸溜所。
・設備構成:
 ・モルト用ポットスチルは4基。
 ・グレーンウイスキー用のマルチカラム(連続式蒸溜器)やビアカラム、ダブラー、ケトル(バッチ式蒸留器)など複数設備が稼働中。
 ・発酵・貯蔵
  発酵槽にステンレスに加え木桶を導入。
  貯蔵施設〜高層ラック式4棟とダンネージ式1棟、合計約13万樽を収納可能。

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc) 600yenで提供しております(2025年8月現在)。

ニッカ シングルカフェグレーン ウイスキー

アロマ:穏やかな香り立ち。トップノートでまったりとした穀物感と優しい樽感。クッキングした穀物、バニラ、シナモン、蜂蜜。背後に人工的な木材感、パルプ。コンテンツは少なめだがマイルドで優しい。
フレーバー:穀物の甘みとアルコール感。バニラ、シナモンなどの白いパウダースパイス感と柑橘系フルーツの酸、甘みが続く。高いアルコール度数のためか、ボディはしっかりとした輪郭を伴う。
余韻は短め、樽由来の甘みやフルーツピールの苦味が残る。
55度というアルコール度数でありながら全体的に優しく、まったりとした樽感と穀物感を楽しめる。

PS:このウイスキーは宮城峡蒸溜所のコフィースチル(連続式蒸留機)を使用して作られたグレーンウイスキーです。コフィースチルは一般的な連続式蒸留機より原料由来の香味が残りやすく、このボトルでもその特徴が良く出ています。ちなみにこれは宮城峡蒸溜所限定販売で、宮城峡蒸溜所でのみ入手可能です。

宮城峡蒸溜所情報

基本概要
・設立:1969年に創業者・竹鶴政孝により設立。ニッカウヰスキーの2番目の蒸溜所として誕生しました。
・所在地:宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地、豊かな森と清流に囲まれた自然の中に位置。
・敷地面積:約20万平方メートルの広大な敷地。



自然環境・設計
・環境と気候:広瀬川・新川の清流と霧に包まれた森の中にあり、湿潤で清らかな空気が樽を守り、ゆっくりと熟成させます。
・仕込水:蔵王連峰を源とする伏流水を使用。非常に硬度が低く、ウイスキー製造に適しています。
・自然との調和:建設時には樹木を残し、地形を活かした建物配置や地下配線など、自然との共生が考慮された設計。



製造設備・特徴
・複合蒸溜所:モルトとグレーンウイスキーの製造が可能な設備を備える、珍しいタイプの蒸溜所。
・発酵槽:ステンレス製の発酵槽が22基稼働
・スチル:ポットスチル(バルジ型で初留4基、再留4基、計8基)やコフィー式連続式蒸溜機を備え、多様な原酒を生み出す体制が整っています。

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc) 900yenで提供しております(2025年8月現在)。

知多

アロマ:香り立ちは中程度、優しく語りかけてくる印象。トップノートでオークのニュアンスと人工的な溶剤、パルプ感。バニラ、シナモン、蜂蜜、人工的な木材感、微かにバナナ、黄桃のような熟したフルーツ感。
フレーバー:アタックでフルーツの酸、甘み、樽の渋みや穀物感、人工的な溶剤感が続く。シンプルでまとまっているが、奥行きや膨よかさには乏しい。
余韻は短め、樽の渋みや人工的な溶剤感が残っていく。

グレーンウイスキーの特徴が感じやすいボトル。人工的なパルプ感、溶剤感は個人的には好きになれませんが、食事のお供としてのハイボールは充分楽しめる味です。

知多蒸溜所情報
・名称:知多蒸溜所(Chita Distillery)
・運営会社:サントリースピリッツ株式会社
・設立年:1972年
・所在地:愛知県知多市(伊勢湾沿岸)
・目的:サントリーのブレンデッドウイスキーに使うグレーンウイスキー原酒の製造拠点
・製造ウイスキーの種類:グレーンウイスキー専門(モルトは製造しない)
・蒸溜方式:連続式蒸溜機(カフェスチルではない)
・特徴:
 高純度なライトタイプのグレーンだけでなく、ライト/ミディアム/ヘビーの3種類の原酒  
 を使い分けている点が特徴
 ブレンデッドウイスキー「響」「角瓶」「ローヤル」などのグレーン原酒を生産
 シングルグレーンとして「知多(CHITA)」を商品化(2015年発売)
 一般公開:蒸溜所見学は不可(非公開施設)

Whisky Salon Rue du Barでは1shot(30cc) 700yenで提供しております(2025年7月現在)。