酒育の会 テイスティング技術向上セミナー 2025/12/7

2025年12月7日に開催された「酒育の会 テイスティング技術向上セミナー」に参加してまいりました。今回のテーマは 「サントリーのモルトウイスキーの特徴を探る」。多様な原酒を使い作り込んでいるサントリーのモルトウイスキーの魅力を体感させて頂きました。特に山﨑12年の多層的で膨よかな味わいは印象に残りました。10年以上前に普段飲みしていた頃よりも洗練されていている印象でした。

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桜尾蒸溜所訪問〜2025年11月17日

桜尾蒸溜所は広島県廿日市、穏やかな海の向こうに宮島を望むロケーションに位置しています。
桜尾はウイスキーとジンの両方を製造する希少なクラフト蒸溜所として知られています。

■ 蒸溜所の外観と歴史

桜尾蒸溜所は、広島で古くから焼酎・リキュールを製造してきた 中国醸造(現:SAKURAO DISTILLERY CO., LTD.) が2017年にウイスキー造りを本格スタートさせた施設です。

敷地内には、かつて焼酎の製造に使われていた連続式蒸留機を保存した塔があり、蔵の歴史と新たなウイスキーづくりが共存する象徴的な存在となっています。

訪問当日は晴天に恵まれ、11月中旬とは思えないほど暖かな気候でした。

敷地内には、かつて焼酎の製造に使用されていた連続式蒸留機が保存されている塔があり、歴史を感じさせる印象的な佇まいです。

■ コンパクトで効率的な蒸溜設備

蒸留棟に足を踏み入れると、糖化槽・発酵槽・蒸留釜が非常にコンパクトに配置されており、小規模ながら丁寧な造りが伝わってきます。

● 蒸留釜(スチル)

① ホルスタイン社製再留釜(写真正面)

・ドイツ製ポットスチル、初留釜が設置されるまではこのスチルで初留も行っていた、そのためサイトグラスが設置されていると思われます。

・付属のコラム塔でジン蒸溜にも対応

・比較的軽やかで香り高いスピリッツを生む設計

② 初留釜(左奥/後に増設)

・モルトウイスキー専用ポットスチル

・写真では隠れているが、その背後に糖化槽・発酵槽が並ぶ

特性の違う2基のスチルにより、桜尾らしい柔らかさと奥行きのある原酒が生まれます。

蒸留棟の中には糖化槽、発酵槽、蒸留釜がコンパクトにまとめられています。正面に見えるのはドイツのホルスタイン製スチルで、モルトウイスキー製造時の再留釜です。コラム塔が付属しておりジンの製造にも使用されています。
左奥に見えるのが後から設置されたモルトウイスキー製造用の初留釜です。写真では隠れて見えませんがこの背後には糖化槽、発酵槽が設置されています。

■ 貯蔵庫とブランド展開

桜尾蒸溜所には特徴の異なる ふたつの熟成環境 があります。

● ① 桜尾(海沿い)ダンネージ式貯蔵庫

・海風を感じる立地

・小規模ダンネージならではの温度変化

→ この環境で熟成されたスピリッツは「シングルモルト桜尾」 のブランド名でリリースされます。

● ② 戸河内(山間部)トンネル貯蔵庫

・旧JR可部線のトンネルを利用

・年間を通じて一定温度、湿度が高め

→ こちらで熟成された原酒は「シングルモルト戸河内」 として展開。

海と山、まったく異なる熟成環境を使い分けることで、多様なウイスキーの表情を造り分けている点が蒸溜所の大きな魅力です。

桜尾蒸溜所にある貯蔵庫はダンネージ式、こちらで熟成されたシングルモルトは「桜尾」のブランド名でリリース。別に広島の山間地のトンネル内に貯蔵庫を所有しており、そちらで熟成させたシングルモルトは「戸河内」のブランドでリリースされています。

■ まとめ

今回の訪問では、桜尾蒸溜所のスケール感、精密な設備、そして海と山の二拠点熟成というユニークな仕組みを実際に見て改めて理解することができました。

瀬戸内の穏やかな気候の中で育まれた桜尾と戸河内。

どちらも広島という土地の個性がしっかりと反映された魅力的なウイスキーです。

今回、蒸溜所で購入したボトル紹介

桜尾シングルグレーンウイスキー ハンドフィル〜ステンレス製のスチルと6段のコラムスチルとの組み合わせのバッチ式蒸留で製造されている。原料も大麦麦芽10%、未発芽麦芽90%の組み合わせで一般的なグレーンウイスキーとは一線を画す味わい。

宮ノ鹿 シングルモルトウイスキー〜桜尾貯蔵庫の原酒と戸河内トンネル貯蔵庫の原酒をバッティングさせた蒸溜所限定販売のボトルです。

桜尾シングルモルトウイスキー シェリーカスク スティルマンセレクト〜桜尾蒸溜所のスティルマンによって選ばれたシェリー樽原酒をブレンド。蒸溜所限定販売のボトルです。

桜尾シングルモルト ソーテルヌカスクフィニッシュ〜桜尾貯蔵庫で熟成された原酒を超甘口白ワインであるソーテルヌワインの樽で18ヵ月熟成させたシングルモルト。蒸溜所限定販売のボトルです。

酒育の会 テイスティング技術向上セミナー 2025/10/12

2025年10月12日に開催された「酒育の会 テイスティング技術向上セミナー」に参加してまいりました。今回のテーマは「ブレンデッドにおけるウッドフィニッシュの効果を体感する」です。

テイスティングアイテムは、デュワーズの5種類でした。デュワーズの特徴の一つはダブルエイジ製法です。

🔸 ダブルエイジ製法とは

デュワーズの大きな特徴のひとつが、「ダブルエイジ製法(Double Ageing Process)」です。通常のブレンデッドウイスキーでは、樽熟成を終えたモルト原酒とグレーン原酒をブレンドした後、ステンレス製タンクで一時的に貯蔵(ホールディング)することが一般的です。

一方、デュワーズではこの工程でもう一度樽熟成(再熟成)を行います。

これにより、モルトとグレーンがより一体化し、香味の角が取れた滑らかなブレンドに仕上がります。またこの“再熟成”の樽が、ボトルごとの個性を生み出しています。

🔸 ダブルダブル製法の仕組み

5の「ダブルダブルシリーズ」は、さらに一歩踏み込んだ4段階熟成(Four-Stage Ageing)によるものです。

  1. モルト原酒をブレンド → 樽で再熟成
  2. グレーン原酒をブレンド → 樽で再熟成
  3. 上記モルト&グレーンをブレンド → 再度樽熟成
  4. 仕上げとしてオロロソ・シェリー樽でフィニッシュ(21年の場合)

この工程により、シェリー樽由来の濃厚で深い香味が生まれ、非常にリッチな味わいに仕上がっています。


🔸 テイスティングを通して

普段デュワーズをストレートで頂く機会は多くなかったのですが、今回は各フィニッシュ樽による香味の違いを比較しながら体感でき、非常に学びの多いセミナーとなりました。

ブレンデッドウイスキーの奥深さ、特にウッドフィニッシュの多様性とその効果を改めて感じる貴重な機会でした。

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酒育の会 テイスティング技術向上セミナー 2025/9/14

2025年9月14日に開催された「酒育の会 テイスティング技術向上セミナー」に参加してまいりました。今回のテーマは 「新規国内蒸溜所を体感するIII」

新しい国内蒸溜所のボトルは、価格が比較的高めということもあり、当店でも仕入れる機会は多くなく、私自身もテイスティングする機会が限られています。そのため、今回のセミナーは非常に貴重な体験となりました。

なかでも印象的だったのは、やはり秩父第二蒸溜所の「5」。別格の存在感でしたが、個人的に“面白い”と感じたのは 御岳 2025 Solera Sherry Butts です。

このボトルは、シーズニング用に加工されたシェリー樽ではなく、実際に製品シェリーを長期にわたって熟成させてきた「ソレラ・システム」由来のシェリーバット(おそらくアメリカンホワイトオーク製)で熟成されています。そのため、嫌味のない独特な甘やかさや、ソレラ由来ならではの奥行きある樽香が表現されており、とても興味深い一杯でした。

面白さを強く感じたため、当サロン Rue du Bar でも仕入れてみました。ご興味のある方は、ぜひご来店の際にお声がけください。

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ニッカ宮城峡蒸溜所訪問〜2025年8月31日

宮城峡は、広瀬川と新川 が合流する渓谷に位置し、周囲は森と清流に囲まれ、四季折々の景色が楽しめる絶好のロケーションです。訪問当日は、曇りで暑さは比較的、優しく気持ちよく見学させて頂きました。

現存している。キルン塔で日本最古のものです。1975年までは稼働していましたが、現在は使用しておらず、宮城城蒸溜所のシンボルとして存在しています。
蒸溜所の横を流れる新川は澄んだ清流です。良質な軟水で仕込み水などに使われています。左の森には熊やイノシシが出没するとのことです。
川の辺りにある金属板の下から取水するそうで、同じものが3ヶ所あるそうです。
この建物の中にグレーンウイスキーを製造するカフェ式スチル(連続式蒸留機)があります。来訪時は工事中で残念ながら内部を見ることは出来ませんでした。
この建物はミル棟。奥の白色の塔にトウモロコシなどの穀物を貯蔵し、手前のレンガ調の建物にミルが備え付けられているそうです。
仕込み棟の中には発酵槽が22基備え付けられています。

スチルはバルジ型8基(初留4基、再留4基)です

こちらは初留釜です。
こちらが再留釜。
宮城峡蒸溜所にはクーパレッジ(製樽工場)があります。
この建物は新しく出来たラック式の貯蔵庫
新しく出来たラック式の貯蔵庫の中身。広大なスペースが確保されています。
これは伝統的なダンネージ式の貯蔵庫。この雰囲気〜大好きな人も多いと思います。

宮城峡蒸溜所は広い敷地を散策するだけでも気持ちが良い場所です。テイスティングコーナーでは、一般的に流通しているニッカウイスキーの商品は勿論、限定モルトや希少なブレンデッドウイスキーを試せるチャンスもあります。

アクセスは仙台市街から車で約30分とアクセスも良好で、観光と合わせて立ち寄れるのも魅力です。公共交通機関で訪問する場合は作並駅から金土日祝日はシャトルバスが運行されていますが、他の日は仙台駅からのバスを利用するのが良さそうです。

宮城峡蒸溜所の情報・アクセスは下記のリンクから

https://www.nikka.com/distilleries/miyagikyo

また今回の訪問は「酒育の会」の見学ツアーで訪れました。また見学後にはアサヒビール・ウイスキーアンバサダー 佐藤一氏にも参加して頂いた懇親会も楽しく有意義なものでした。関係者の皆様、有難うございました。

酒育の会の情報は下記のリンクから

長濱蒸溜所訪問〜2025/9/7

2025年9月7日長濱蒸溜所を訪問しました。もともと長濱浪漫ビールとしてレストランを営業している敷地にウイスキーの生産設備がコンパクトにまとめられております。ウイスキー事業の開始は2016年、琵琶湖の北東側にオープンし、長浜駅から徒歩7~8分で到着できます。因みに長浜市は戦国武将の石田三成ゆかりの地です。

川のほとりに位置し、この建物の中に蒸溜設備、レストランなどがコンパクトにまとめられています。

ビールと兼用のマッシュタン(糖化槽)です。
2階に備え付けられている3基の発酵槽もビールと兼用です。

勿論、ビールも生産されており発酵までの行程はビールと兼用されています。写真は兼用の糖化槽と発酵槽です。

コンパクトなボットスチルが3基ガラス戸の向こうに設置されていました。

ポットスチルは初留2基、再留1基の計3基でポルトガルのホヤ製です。容量は3基ともに1000リットルとコンパクトサイズです。

長濱蒸溜所の熟成庫はユニークです、廃道となった長浜市内の国道の旧トンネルや廃校となった長浜市立七尾小学校さらに2021年からは琵琶湖に浮かぶ竹生島での熟成を行っています。

廃校した七尾小学校を熟成庫として利用(写真は2023年6月に訪問した際のものです)

長濱蒸溜所のモットーは「一醸一樽」〜長濱蒸溜所の仕込みは1バッチ麦芽400kg。そこから得られるニューポットは約200リットル。これが1樽分の原酒となり熟成の工程に移ります。これが同蒸溜所がモットーとする「一醸一樽」の所以です。

ところ私が長濱蒸溜所を複数回にわたって訪問する理由は、併設されているレストランとハンドフィルで購入できるウイスキーです。

最後は巾着にボトルを入れてくれて持ち帰れます。今回購入したウイスキーは「シングルモルト長濱 モスカテル/レッドワイン ハンドフィル」です。勿論ウイスキーサロンRue du Barで提供いたします。

Whisky Salon Rue du Barでは、1shot(30cc)2800yenで提供しています。

酒育の会テイスティング技術向上セミナー2025/7/13

2025年7月13日開催の酒育の会 テイスティング技術向上セミナーに参加してきました。今回のテーマは「マルチレンジウイスキーを体感する」とのこと。この5本の中ではグレングラント170周年記念ボトル(1960年代〜1980年代蒸留の原酒を中心にブレンド)とマッカラン レアカスク2022(30年以上熟成の原酒を含む16種類の異なる熟成年数の原酒をブレンド)がマルチレンジウイスキーということになると思います。正直、マルチレンジウイスキーなるものの特徴は掴みにくかったですが、これらのボトルを通して超メジャーのグレングラント蒸溜所、マッカラン蒸溜所のハウススタイルの味わいの再確認はさせて頂きました。

特にマッカラン12年シェリーオークカスクは、バランスよく芳醇で適度な厚みも感じました。昨今、味が落ちたなどと揶揄されがちなマッカランですが、ブラインドで飲んでみるとやはりマッカランはマッカランでした。

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