【北海道・余市】石炭直火が生む重厚な魂 ― 余市蒸溜所訪問記〜2026年2月9日

冬の小樽はいたる所でライトアップされ美しく映える街です。

2026年2月、雪景色に包まれた北海道・余市。小樽からJRで約30分、海と山に囲まれたこの地に、日本ウイスキーの原点とも言える余市蒸溜所があります。

余市蒸溜所の入り口は余市駅から徒歩5分くらいの距離です。

門をくぐった瞬間、空気が変わるのを感じます。

蒸溜所のシンボルとも言えるキルン塔。雪化粧した静かな佇まいは、ただ美しく、そして荘厳。

  • 創業:1934年
  • 創業者:竹鶴政孝
  • 所在地:北海道余市町
  • 特徴:石炭直火蒸溜
  • 主力スタイル:重厚・スモーキー・力強いモルト

竹鶴政孝が「スコットランドに最も近い風土」として選んだ土地です。

粉砕・糖化塔:外観だけで通常の見学コースでは糖化槽などは見ることは出来ません。
発酵塔:発酵槽はステンレス製、ここも通常の見学コースでは中は見れません。

現在もなお続く石炭直火蒸溜。稼働しているスチルは初留4基、再留2基の計6基の構成です。全てストレートヘッド型でアームは下向きに付けられており、余市の重厚な酒質の要因にもなっています。

稼働しているのはストレート型ポットスチル6基で、向かって左から3つ目のスチルは創業時のスチルとのことです。このスチルを挟んで左2つが再留釜、右4つが初留釜です。
これは創業時のスチルで現在は稼働していません

石炭直火の特徴として

  • 釜底に直接炎が当たる
  • 不均一な加熱
  • 部分的なカラメル化

その結果生まれるのは、重厚なボディ、力強い麦芽感、わずかな焦げのニュアンス、厚みのあるスモークを特徴とする原酒で、これはスチーム加熱では再現しづらい個性と言われています。

見学時にはタイミングよく石炭の投下を見届けることが出来ました。

石造りの貯蔵庫。

余市の冷涼な気候は熟成をゆっくり進め、力強さの中に丸みを与えます。

潮風の影響を受ける環境も余市の味わいに深みを与えているのかもしれません。

雪深い環境で静かに佇む、余市の熟成庫
見学用に開放された熟成庫内部。手前の樽は空ですが、奥の方の樽は原酒が入って熟成されています。

余市蒸溜所には、やはり「日本のウイスキーの原点」が静かに息づいています。

石造りの熟成庫、冷たい海風、澄んだ空気、荘厳な雪景色。この土地の厳しさと向き合いながら、ウイスキーはゆっくりと時間を重ねて熟成されています。

華やかではありませんが、芯の強さを感じる余市の味わいは、この風土そのものに由来するのだと改めて感じます。

Whisky Salon Rue du Barでは余市蒸溜所限定販売のウイスキーをはじめ、余市の原酒を使用したボトルを各種取り揃えております。

皆さのご来店をお持ちしています。

ニッカ宮城峡蒸溜所訪問〜2025年8月31日

宮城峡は、広瀬川と新川 が合流する渓谷に位置し、周囲は森と清流に囲まれ、四季折々の景色が楽しめる絶好のロケーションです。訪問当日は、曇りで暑さは比較的、優しく気持ちよく見学させて頂きました。

現存している。キルン塔で日本最古のものです。1975年までは稼働していましたが、現在は使用しておらず、宮城城蒸溜所のシンボルとして存在しています。
蒸溜所の横を流れる新川は澄んだ清流です。良質な軟水で仕込み水などに使われています。左の森には熊やイノシシが出没するとのことです。
川の辺りにある金属板の下から取水するそうで、同じものが3ヶ所あるそうです。
この建物の中にグレーンウイスキーを製造するカフェ式スチル(連続式蒸留機)があります。来訪時は工事中で残念ながら内部を見ることは出来ませんでした。
この建物はミル棟。奥の白色の塔にトウモロコシなどの穀物を貯蔵し、手前のレンガ調の建物にミルが備え付けられているそうです。
仕込み棟の中には発酵槽が22基備え付けられています。

スチルはバルジ型8基(初留4基、再留4基)です

こちらは初留釜です。
こちらが再留釜。
宮城峡蒸溜所にはクーパレッジ(製樽工場)があります。
この建物は新しく出来たラック式の貯蔵庫
新しく出来たラック式の貯蔵庫の中身。広大なスペースが確保されています。
これは伝統的なダンネージ式の貯蔵庫。この雰囲気〜大好きな人も多いと思います。

宮城峡蒸溜所は広い敷地を散策するだけでも気持ちが良い場所です。テイスティングコーナーでは、一般的に流通しているニッカウイスキーの商品は勿論、限定モルトや希少なブレンデッドウイスキーを試せるチャンスもあります。

アクセスは仙台市街から車で約30分とアクセスも良好で、観光と合わせて立ち寄れるのも魅力です。公共交通機関で訪問する場合は作並駅から金土日祝日はシャトルバスが運行されていますが、他の日は仙台駅からのバスを利用するのが良さそうです。

宮城峡蒸溜所の情報・アクセスは下記のリンクから

https://www.nikka.com/distilleries/miyagikyo

また今回の訪問は「酒育の会」の見学ツアーで訪れました。また見学後にはアサヒビール・ウイスキーアンバサダー 佐藤一氏にも参加して頂いた懇親会も楽しく有意義なものでした。関係者の皆様、有難うございました。

酒育の会の情報は下記のリンクから