桜尾蒸溜所訪問〜2025年11月17日

桜尾蒸溜所は広島県廿日市、穏やかな海の向こうに宮島を望むロケーションに位置しています。
桜尾はウイスキーとジンの両方を製造する希少なクラフト蒸溜所として知られています。

■ 蒸溜所の外観と歴史

桜尾蒸溜所は、広島で古くから焼酎・リキュールを製造してきた 中国醸造(現:SAKURAO DISTILLERY CO., LTD.) が2017年にウイスキー造りを本格スタートさせた施設です。

敷地内には、かつて焼酎の製造に使われていた連続式蒸留機を保存した塔があり、蔵の歴史と新たなウイスキーづくりが共存する象徴的な存在となっています。

訪問当日は晴天に恵まれ、11月中旬とは思えないほど暖かな気候でした。

敷地内には、かつて焼酎の製造に使用されていた連続式蒸留機が保存されている塔があり、歴史を感じさせる印象的な佇まいです。

■ コンパクトで効率的な蒸溜設備

蒸留棟に足を踏み入れると、糖化槽・発酵槽・蒸留釜が非常にコンパクトに配置されており、小規模ながら丁寧な造りが伝わってきます。

● 蒸留釜(スチル)

① ホルスタイン社製再留釜(写真正面)

・ドイツ製ポットスチル、初留釜が設置されるまではこのスチルで初留も行っていた、そのためサイトグラスが設置されていると思われます。

・付属のコラム塔でジン蒸溜にも対応

・比較的軽やかで香り高いスピリッツを生む設計

② 初留釜(左奥/後に増設)

・モルトウイスキー専用ポットスチル

・写真では隠れているが、その背後に糖化槽・発酵槽が並ぶ

特性の違う2基のスチルにより、桜尾らしい柔らかさと奥行きのある原酒が生まれます。

蒸留棟の中には糖化槽、発酵槽、蒸留釜がコンパクトにまとめられています。正面に見えるのはドイツのホルスタイン製スチルで、モルトウイスキー製造時の再留釜です。コラム塔が付属しておりジンの製造にも使用されています。
左奥に見えるのが後から設置されたモルトウイスキー製造用の初留釜です。写真では隠れて見えませんがこの背後には糖化槽、発酵槽が設置されています。

■ 貯蔵庫とブランド展開

桜尾蒸溜所には特徴の異なる ふたつの熟成環境 があります。

● ① 桜尾(海沿い)ダンネージ式貯蔵庫

・海風を感じる立地

・小規模ダンネージならではの温度変化

→ この環境で熟成されたスピリッツは「シングルモルト桜尾」 のブランド名でリリースされます。

● ② 戸河内(山間部)トンネル貯蔵庫

・旧JR可部線のトンネルを利用

・年間を通じて一定温度、湿度が高め

→ こちらで熟成された原酒は「シングルモルト戸河内」 として展開。

海と山、まったく異なる熟成環境を使い分けることで、多様なウイスキーの表情を造り分けている点が蒸溜所の大きな魅力です。

桜尾蒸溜所にある貯蔵庫はダンネージ式、こちらで熟成されたシングルモルトは「桜尾」のブランド名でリリース。別に広島の山間地のトンネル内に貯蔵庫を所有しており、そちらで熟成させたシングルモルトは「戸河内」のブランドでリリースされています。

■ まとめ

今回の訪問では、桜尾蒸溜所のスケール感、精密な設備、そして海と山の二拠点熟成というユニークな仕組みを実際に見て改めて理解することができました。

瀬戸内の穏やかな気候の中で育まれた桜尾と戸河内。

どちらも広島という土地の個性がしっかりと反映された魅力的なウイスキーです。

今回、蒸溜所で購入したボトル紹介

桜尾シングルグレーンウイスキー ハンドフィル〜ステンレス製のスチルと6段のコラムスチルとの組み合わせのバッチ式蒸留で製造されている。原料も大麦麦芽10%、未発芽麦芽90%の組み合わせで一般的なグレーンウイスキーとは一線を画す味わい。

宮ノ鹿 シングルモルトウイスキー〜桜尾貯蔵庫の原酒と戸河内トンネル貯蔵庫の原酒をバッティングさせた蒸溜所限定販売のボトルです。

桜尾シングルモルトウイスキー シェリーカスク スティルマンセレクト〜桜尾蒸溜所のスティルマンによって選ばれたシェリー樽原酒をブレンド。蒸溜所限定販売のボトルです。

桜尾シングルモルト ソーテルヌカスクフィニッシュ〜桜尾貯蔵庫で熟成された原酒を超甘口白ワインであるソーテルヌワインの樽で18ヵ月熟成させたシングルモルト。蒸溜所限定販売のボトルです。